使用実例作品紹介

「桜」のひと時を表現した、手漉き和紙×藍染のアートワーク

「桜」のひと時を表現した、手漉き和紙×藍染のアートワーク

アワガミファクトリースタッフの 山浦のどか の新作をご紹介します。

 

"WASHI OF SAKURA" 

 

桜の記憶を和紙に投影する。記憶の中の過去の桜。
四季を楽しむ心を潜在的に持つ日本人にとって、桜という木は切っても切れない存在だが、それは人によって感じ方が違うのだと気付いた。心が華やぐ人もいれば、別れや切なさを感じたりと、桜に対して様々な感情を人々は観ているのだと。しかし、やはり桜は純粋に「綺麗だ」と心が浄化される特別な木なのではないかとも思う。
自然から成る“和紙”と“藍染”の素材の魅力を引き立たせつつ... 一枚ずつ、それぞれの場所で、個々に想い耽け・まるで花見をしているかの様な気分を味わうことのできる空間を演出する。

 

 

Yamaura Nodoka

 

Yamaura Nodoka

 

Yamaura Nodoka

 


素材: 手漉き和紙 /  楮・三椏100%、有機藍顔料
協力:アワガミファクトリー 、阿波手漉和紙商工業協同組合

協賛:ANA ART TRANSIT

2024年3月。羽田空港第2ターミナルにて。

 

 

 

山浦のどかさんは、アワガミファクトリーの紙漉き職人でもあります。

制作風景の撮影にもご協力いただきました。

 

Yamaura Nodoka

 

白と色付きの原料を使って、桜のイメージを描いているところです。

 

 

Yamaura Nodoka

 

Yamaura Nodoka

 

漉いている時の様子は瑞々しく美しいです。

 

 

Yamaura Nodoka

 

10枚の作品は横並びに柄が繋がっているため、漉き上がった紙を横に置いてデザインの確認中…

 

 

Yamaura Nodoka

 

Yamaura Nodoka

 

板に貼って乾燥させます。桜の華やかさが表現されています。

 

 

Yamaura Nodoka

 

漉き上がった和紙の端を藍染め液に浸します。

 

 

Yamaura Nodoka

 

藍染をして、空や川の水面を表現。一点物の作品なので作業は緊張感があります。

 

 

Yamaura Nodoka

 

手漉きの模様と、藍染めのコントラストが美しい仕上がり。

 

 

 

 

今回の作品では「手漉き和紙」と「藍染め」とのコラボ作品でしたが、そのことについてお聞きしました。

 

山浦さんにとっても初めて試みだったそうです。

 

「仕事が終わった後に、自分の制作時間がスタート。この期間は毎日のように手漉き現場に残って数時間作業して作品作りに勤しんでいました。全てが一点ものだったので、藍染のぼかし作業の緊張感は凄まじかったです。

こちらの作品は、TOKYO CREATIVE SALON(以下、TCS)という東京都主催のイベントで、羽田空港第二ターミナルの北側通路での展示した作品です。
会期がちょうど桜のシーズンだったのと、TCS羽田エリアのテーマに「藍」と「徳島」がありました。まさに自分ならでは!のテーマだったので、手漉き和紙と藍染で桜を描きました。
 
また、最近、仕事で広重の浮世絵を拝見する機会があり、浮世絵の手法や発想にもインスピレーションを受けている自分がいると感じます。藍色のボカシも、上からだと空に見え、下からだと川や湖に見える。デザイン的に表現しつつも、人は見たことのある景色を投影する。桜の表現部分もある意味そのような感覚かもしれません。色彩と構図で桜らしさを現しつつも、花をリアルに描いてはいないので、、記憶を和紙に投影しながら桜を観る。そんな作品に仕上げました。羽田空港という「旅」をキーワードに集まっている人々にとって、この空間で新たなお花見を体験してもらえたらという気持ちも込めました。」
 
 
 
東京から徳島へと移り住んだ山浦さん。職人としてアーティストとして活躍する山浦さんにこれからのことをお聞きしました。
 
「東京からポ⌒ンと移住し、徳島生活もこの春で5年目を迎えました。
和紙のことも、日常を取り巻く自然の環境も、いまだに新鮮な気づきばかりです。
日本の精神を和紙や自らの感性を通して、今ここにいるからこその空気感を表現したい。
ふわりと風にたなびく一枚の和紙の様に、足取り軽く、いろんな場所でいろんな景色と出会って、旅するように作品を作っていきたいです。作品を通して日常の中に、何かが芽吹く気配をお裾分けできたら!」
 
 
 
 

 

そんな山浦さん、次回の個展が7月27日から始まります。

 

Yamaura Nodoka

 

山浦のどか個展 「夜と、少しの朝の気配。」

会場:ART FOR THOUGHT    2024.07.27 sat. - 8.29 thu.

https://artforthought.jp/

 

 

制作者
山浦 のどか
作品名
WASHI OF SAKURA
使用した用紙
特注手漉き和紙、藍染
技法
特注手漉き和紙、藍染