
アワガミファクトリーについて

「アワガミファクトリー」は、1300年の歴史を持つ阿波和紙のブランド総称です。
和紙の伝統文化を守り継承するだけではなく、新しい素材の作り手として、むしろ和紙を「伝統」という世界から解き放し、さまざまな技法の開発・素材の研究活動を行なっています。
ユーザーの声に耳を傾け、現代の生活空間へ、そして次代へと生かしきる和紙文化の新しい発信拠点を目指しています。
阿波和紙の歴史
和紙の製造には、きれいな水が豊富にあること、原料に使う植物が近くの山野にたくさん生育し、収穫が容易であることが大切な条件です。
アワガミファクトリーのある徳島県吉野川市山川町は、その条件に適した場所です。水は町内を流れる川田川の伏流水を使い、原料の楮(こうぞ)やねりなどの植物は付近の高越山(こうつざん)山系に自生しています。
高越山は「こうぞ」という音が変化してその名になったと言われていますが、原料が自生していたこと以外にも、紙漉きに由来する地名が多く残っていることから、古くから紙漉きが盛んだったことがわかります。



阿波和紙の始まりは、今から1300年ほど前に遡ると言われています。
忌部族(いんべぞく)という朝廷に仕えていた人たちが阿波の国に入り、麻や楮を植えて紙や布を製造し、その地名が麻植(おえ・現在の徳島県吉野川市)となったとの記録が、古語拾遺(807年)に残されています。
忌部族の始祖である天日鷲命(あまのひわしのみこと)は紙の始祖神として崇め祭られています。
江戸時代には阿波藩(徳島県)の藩札や奉書、画仙紙などの御用紙のほか、特産の藍を使った藍染和紙により全国にその名が知られるようになりました。
時代とともに暮らしの中に根を下ろし、紙すきの戸数も明治の最盛期には吉野川流域に500戸、川田川流域に200戸を数えました。
しかし明治から昭和へ、特に戦後の日本が突き進んだ洋風化の波に押され、日常生活での和紙の需要は激減、ほとんどの業者が転廃業していきました。


そんな中残った藤森家を中心に、1947年に阿波手漉和紙商工業協同組合が設立されました。さらに1952年に藤森家が法人化し、富士製紙企業組合を設立しました。
1989年には、阿波和紙の啓蒙と継承を目的として一般財団法人阿波和紙伝統産業会館を設立、国内外から多数のアーティストが訪れています。
現在は「アワガミファクトリー」ブランドとして国内外の販路を持ち、洋紙にはない、人々の感性に訴える和紙の魅力を活かした紙づくりに取り組んでいます。


アーティストとともに
1989年5月、阿波和紙の啓蒙と継承を目的として、阿波和紙伝統産業会館を設立しました。開館以来30年以上にわたり、国内外のアーティストを受け入れ、作品制作の援助を行なっています。
私たちが長年培ってきた和紙に関する技術や知識とアーティストの創造性が融合し、刺激的な作品が生まれ続けています。
また、滞在中のレクチャーなどを通して、地元住民の皆さんとアーティストの交流も行われています。
ビジティング・アーティストプログラム
http://www.awagami.or.jp/hall/va/index.html
アーティスト・イン・レジデンス・プログラム
http://awagamiair.com/





アワガミファクトリーの主な商品
アワガミファクトリー概要
アワガミファクトリーは阿波手漉和紙商工業協同組合・富士製紙企業組合・一般財団法人阿波和紙伝統産業会館により運営されています。
名称 | 阿波手漉和紙商工業協同組合 |
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代表理事 | 藤森 洋一 |
所在地 | 〒779-3401 徳島県吉野川市山川町字川東141番地 |
電話 | 0883-42-2772 |
FAX | 0883-42-6085 |
URL |
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メールでのお問い合わせはこちらから | |
資本金 | 100万円 |
法人設立 | 昭和22年4月6日 |
組合員数 | 10人 |
取扱品目 | 和紙、和紙文具類 |
関連企業 | 富士製紙企業組合 / 一般財団法人 阿波和紙伝統産業会館 |
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富士製紙企業組合
アワガミファクトリーブランドの母体となる組織。
機械抄紙・染紙・和紙加工品の製造や和紙の製本等を行なっています。
長尺のロール紙や手漉き和紙の風合いを持つ紙などをはじめ、現代の印刷技術に対応した新しい加工技術の開発やインテリア用和紙の開発などにも力をいれています。 -
阿波手漉和紙商工業協同組合
手漉き和紙の製造・小売業・卸業を行なっています。
伝統の技法で、手漉きならではの風合いを活かした紙はアート、建築、インテリアなどさまざまなシーンにおいて国内外で高く評価いただいています。 また、和紙を使った商品の企画開発も行なっています。
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一般財団法人 阿波和紙伝統産業会館
阿波和紙の啓蒙と継承を目的とし設立されました。
国内外からのアーティストを受け入れての作品制作の援助事業や阿波和紙の技法を伝える手漉き和紙の研修事業、徳島県内の小中学生を対象にした「デザインはがき展」などの展示事業は多くの称賛と熱い感動を生み出しています。