使用実例作品紹介

楮厚口未晒12匁を使用したアクリル絵画作品

楮厚口未晒12匁を使用したアクリル絵画作品

藤田ひかるさんによる「楮厚口未晒12匁」を使ったアクリル絵画作品をご紹介します。

 

 

 

楮厚口未晒12匁を使用されるのは初めてとのことで、選んだ理由をお尋ねしてみました。

「未晒の色味を作品に取り入れたいと考えていました。

パネルに水張りするのを他の和紙でも何度か試したのですが、少し厚みのある方が張りやすかったので、12匁を選択しました。」

 

紙を使用した感想については、

楮厚口未晒12匁を使用してみて、キャンバスに描くのとは違った感覚でした。

水分量やぼかし方などで戸惑う部分もありましたが、どこまで自分のものにできるか挑む感覚に胸が躍りました。」

とおしゃっていただきました。

 

 

和紙にアクリル絵の具を使用されたのは初挑戦とのことで、理由をお尋ねしたところ、

「吉野川市にいるからには、阿波和紙を使用したいという想いがあり、必然的に今回は水彩絵の具を使うことにしました。

アクリルはどんどん色を塗り重ねられるのが油絵に似ていて好きな画材の一つです。

和紙のテクスチャーを活かすために背景は色を乗せず、余白の美を意識しました。」

 

 

 

 

 

こちらの作品は、第30回放美展洋画部門にて優秀賞を受賞されました。

 

タイトル:こんがらがる

 

放美展に応募するきっかけは、

「制作を続ける中で、久しぶりに公募展に出品してみようかなと思い立ちました。

学生時代からずっと手をモチーフに制作しています。

 

人の中にある暗然たる感情は身体と同じように切り離せないものなので、見ないふりをせず見つめてほしいという思いから手を描いています。

そういった気持ちも実体のあるものやないもの、現在や過去未来への感情など色々な要素が絡み合っていると思うので、

『こんがらがる』ではその様を描きたいと考えました。」

 

 

『こんがらがる』を作成して、和紙を使用したことや作品スタイルを含めて、自分の制作活動の中でもひとつの指標となる作品になり、

今後の制作にも活かしていきたいそうです。

 

 

藤田さんから、作品を観る方に伝えたいことはありますか?とお尋ねしたら、

「初めて和紙に描いてみて、生命感を感じるテクスチャーが生まれたと感じています。ぜひ近くで観ていただきたいです。」とのこと。

今後こちらの作品を含めて、藤田さんの作品を間近で観ることができる機会もありそうです。

 

大学を卒業してからも精力的に活動を続けていらっしゃる藤田さん。これからの作品も楽しみにしています。

 

制作者
藤田ひかる
作品名
こんがらがる
使用した用紙
楮 厚口 未晒 12匁
技法
アクリル絵の具