AIJPについてのご質問

AIJPについてのご質問

AIJPについて

AIJPの特徴について教えて下さい。

インクジェットのインクに特化したコーティングを行うことで、従来の和紙に見られた滲みや色の沈みをおさえ、和紙の素材感・風合いを生かしながら高画質で豊かな再現性を実現した製品です。コーティングをしていますが中性紙を保持していますので、保存性には安心してお使い頂けます。

AIJPにプリントした作品はどのくらい持ちますか。

紙の保存には、1)中性紙であること 2)高温多湿、直射日光を避けることが必要です。特に紙が極端な酸性である場合、紙は劣化しやすくなります。AIJPはコーティングをしていますが中性紙ですので、通常の保存環境にあり顔料インクを利用することで、制作物の長期的な保存が可能です。

染料インク、顔料インク、どちらにも使えますか。

どちらのインクにも対応しています。

普通のプリンターでプリント出来ますか。

一般的なインクジェットプリンターの利用も可能です。プリンターにより給紙出来る紙厚は異なりますので、取扱い説明書でお持ちのプリンターの情報を確認してからお使い下さい。また、家庭用プリンターの場合、給紙は手差しトレイをお勧めします。
「楮 厚口 白」の印刷方法(動画)はこちらから

和紙プリントに向いている画像はありますか。

和紙という単語を聞いて多くの人が思い浮かべる「あたたかい」「やわらかい」「落ち着く」というような印象の作品が馴染みますが、和紙の質感と作品との組合せでできる作品作りには画質は問わず利用出来ます。和紙の風合いが人肌や動物の毛並など触感を感じさせられる画像と相性が良いため、ポートレートや動物の作品にもお試し下さい。また、画面に空気感を感じさせる効果があることから奥行き感の演出や写真を絵画調に感じさせてくれる効果もあります。

用紙選びについて

両面印刷できる和紙はありますか。

竹和紙110g、竹和紙170g、竹和紙250g、いんべ 厚口は両面印刷が出来ます。ただし表裏で表情は異なります。

両面印刷が出来ない紙の裏面に印刷するとどうなりますか。

文字などの印刷は読める程度に印字出来ますが、画質は印刷面ほどの精度はありません。

プレミオシリーズの裏面に文字等の印刷は出来ますか。

プレミオの裏面は印刷の出来る和紙を貼り合わせていますので、文字などの印刷は問題ありません。

プリント後に書を書いたり絵具などで描くことは出来ますか。

可能です。最近では、写真と書の組合せによる作品創作もよく見かけるようになりました。

一番白い紙はどれですか。

竹和紙やいんべです。

AIJPの中で一番再現性が高いものはどれですか。

竹和紙やいんべの原料はきめ細かく密度が高いことで再現性も高いです。特に竹和紙は、色が素直に出やすいとの定評があります。どの種類も同じコーティングをしているので同じような仕上りが得られますが、密度が高く厚みがある紙の方が印字がしっかり見えます。

インクについて

染料インクの特徴を教えて下さい。

鮮やかな発色性から特に光沢紙にその効果を発揮しますがAIJPにも問題なく利用出来ます。プリント画面が擦れることによる色移りが少なくフォトブック制作に向いています。しかし耐光性や水濡れに弱い事から、長期的な展示や各種加工には注意が必要です。

顔料インクの特徴を教えて下さい。

インクは粒子成分であり、耐光性や水濡れに強いため、長期的な展示や販売、軸装やパネル張りなどの加工に向いています。しかし印字部分は摩擦に弱いため、プリント後の取扱いには注意が必要です。

印刷について

印刷の用紙設定は何を選んだらいいですか。

エプソン:「フォトマット」などのマット紙やファインアート紙系
キヤノン:事務用・複合機タイプのプリンターは「普通紙」、PROシリーズなど大判プリンターは「和紙」「ファインアート紙」などマット紙やファインアート紙系
をお選びください。

黒インクはフォトブラック、マットブラックのどちらを使ったらいいですか。

マットブラックをお使い下さい。フォトブラックを使うと、黒の濃度が締まらない仕上がりとなります。

和紙でプリントするとインクをたくさん使って不経済です。

プリンターのインクの噴出量は、どの用紙設定を選ぶかでその量が決まります。和紙が水分をよく吸うからといって、設定以上にインクを噴出することはありません。

インクを最も多く噴出する用紙設定を選んだら、濃度も高くしっかりとしたプリントが出来ますか。

極端に許容以上の量のインクを紙が受けると、紙の中でインクが飽和状態となり、微細な表現はつぶれ、ベタ面は返って濃度が浅くなる場合があります。

レーザープリンタで使うことは出来ますか。

インクジェットプリンター以外のプリント機器ではご利用いただけません。

オートシートフィーダーで何枚か刷っていると紙送りが出来なくなりました。

和紙は表面強度が弱く、コーティングもしていることで、給紙のゴムローラーに紙粉などが付着している状態が'予想されます。市販のクリーニングシートでローラー部分のクリーニングを行って下さい。

オートシートフィーダーにセットすると給紙しにくい時があります。

1)用紙が湿気を含んでいると、給紙できない場合があります。乾燥した部屋に置くなどして、湿度を飛ばしてからご利用下さい。

2)紙のゴムローラーに紙粉などが付着していると、給紙できない場合があります。市販のクリーニングシートでローラー部分のクリーニングを行って下さい。

3)プリンターによっては、オートシートフィーダーで給紙できない場合は、前面トレイなど別の給紙口からの給紙を推奨する機種があります。お使いのプリンターの取扱説明書をご確認下さい。

4)プリントする用紙の背面に厚紙を当てておくと、腰のない紙が支えられて給紙しやすくなる場合があります。

黒の濃度が締まりません。

黒のインクでフォトブラックを使われていないか確認して下さい。和紙のプリントにはマットブラックをお使い下さい。

プリントすると、シワや波打ちが出てしまいます。

薄い用紙に高濃度の画像を大判でプリントすると、インクの水分により紙が伸縮し、シワや波打ちの原因となります。

波打ちを軽減するには:大きめの用紙に四方に余白をとってプリントした後、霧吹きなどで用紙を湿らせ、板などに貼り付けて四方を水張りテープ等で止め、そのまま乾燥させると、軽減される場合があります。

両面印刷できる種類に、ロールで両面印刷することは出来ますか。

ロールの外側の印刷は可能ですが、内側の印刷はカールが給紙時にヘッドに擦れる可能性が高いためお勧め致しません。

手漉き紙びざんをエプソン5V(5VⅡ)の全面トレイから給紙をすると、紙が斜めに給紙されたとエラーが出てプリント出来ません。

プリンター全面の液晶画面から「セットアップ」→「プリンターの基本設定」→「斜行エラー検出」をオフにして下さい。

手漉き紙びざんの「耳」にプリンターのヘッドが引っかかって汚れてしまいます。

1)プリンターとの相性チェック
びざんはかなりたっぷりとした厚みとラフな面質のため、まずはお持ちのプリンターの給紙可能な紙厚の範囲を取扱い説明書等でご確認ください。

2)プリンターのドライバー設定
プリンターの機種によりますが、「こすれ軽減機能」か「プラテンギャップ」(プリントヘッドと用紙の間隔)を設定できる場合があります。
・「こすれ軽減機能」がある場合は、「有効」に設定
・「プラテンギャップ」がある場合は、「広め」または「より広め」に設定
にすると、紙とプリントヘッドの距離が広くなり、紙の汚れを防ぐことができます。

3)紙端のチェック
びざんは四方に「耳」があり、その部分の起伏や耳の立ち上がりがヘッドに当たることでインク汚れを生じさせる場合があります。
厚みの起伏は、びざんの耳部分にプラスチックのヘラなどを押し付け、厚さを抑えることも有効です。
その際、指を使って押し付けると紙の表面が毛羽立つ場合がありますので、ヘラなど表面の平滑なものをお使いください。耳部分の立ち上がりがある場合、指でしごいて紙端を抑えるように修正してください。

*本製品は四方の耳があることでパッケージに記載の規格よりも若干伸びが生じています。プリンターの「フチなし印刷機能」を使用した印刷は耳の部分が白く残る場合があるため、推奨しておりません。

ロール紙の紙管のインチ数を教えて下さい。

群雲こうぞは2インチ、その他のロールは3インチ紙管を使用しています。

ロールのAIJPには、最大どれくらいの幅まで印刷できますか。

プリンターによりますが、アワガミ出力サービスで使用しているプリンターであれば、1118mm幅のロールは1100mmまで印刷可能です。

ロールのAIJPには、最大どれくらいの長さまで印刷できますか。

画像の濃度にもよりますが、群雲こうぞ、楮薄口、いんべ薄口、雲流など薄手の用紙は、最大1mまで印刷できます。それ以上はシワが入るため印刷ができません。1m未満でも、濃度の濃い画像ではシワが入る場合があります。
その他の厚手の紙は1m以上印刷できますが、プリンターに転送できるデータの容量に限度があるため、その容量に依存します。アワガミ出力サービスでは、3m程度の長さのデータを印刷した実績があります。

モノクロ印刷の場合は、「プリンターによるカラー管理」の方が色転びしづらいでしょうか。

はい、色転びの防止には「プリンターによるカラー管理」の選択をお勧めします。

プロファイルについて

AIJPのプロファイルはありますか。

現在、一部のプリンターについてのみ、HP上で提供をしています。プリンタープロファイルは正確にキャリブレートされたモニタと、実際に使用するプリンターと設定、用紙の組み合わせにおいて、両者の発色をマッチングさせるために使用するデータです。
ご利用環境での正確なモニタプロファイル、プリンタープロファイルを使用することで、自在にプリント結果をコントロールすることが出来ますが、 残念ながら当社では、プリンタープロファイルを提供できるほどプリンターの種類を持っていません。また、管理された観察環境下での正確なモニタプロファイルも必要となり、当社ではまだそこまでの設備が整っていませんが、なるべく早くそのような環境を整えてA.I.J.Pをご利用のみなさまに情報提供出来るようにしていきたいと考えています。
詳しくはこちらから

EPSON SC-PX5VIIのプロファイルを使い、前面手差しから忌部薄口白をプリントすると、紙がくしゃくしゃになってしまいました。対処法はありますか。

推奨している用紙設定のうち、「EPSONフォトマット紙/顔料」 をお選びいただき、オートシートフィーダーから給紙してください。

Epson Media Installerを使っています。アワガミのホームページ(https://awagami.jp/pages/icc)からダウンロードしたICCプロファイルを読み込むことができません。

アワガミファクトリーでは現在、Epson Media Installerを使う際に必要なEMXファイルのご提供がございません。ICCプロファイルをお使いの際は、PhotoshopなどのICCプロファイルが使えるアプリケーションをご利用ください。

その他

溶剤系のインクのプリンタにも使えますか。

AIJPは水性インクのインクジェットプリンター用であり、溶剤系のプリントでは滲みなどが見られる場合があるため推奨致しません。

ロール紙のAIJPの印刷面はどちらですか。

外側が印刷面です。

ロールのAIJPを購入するので指定サイズに裁断してもらえますか。

巻癖がついていることから正確な裁断が困難であるため、ロール紙は裁断加工は弊社では対応していません。

平判のAIJPを購入し、指定サイズに裁断してもらうことは出来ますか。

裁断サービスを承っており、何丁に裁断するかで価格が変わってきます。HPに裁断価格についての記載がありますので参照下さい。裁断についてはこちらから

楮二層紙、三椏二層紙の剥離方法を教えて下さい。

HPに剥がし方の解説がありますので参照下さい。こちらから

手漉き紙びざんで、指定サイズで四方耳付きで漉いてもらうことは出来ますか。

大きさにより生産ロットが必要ですが、まずはこちらから希望の寸法と枚数をお知らせ下さい

掛軸を作りたいのですが適した紙はどれですか。

楮二層紙三椏二層紙、群雲こうぞ(未晒)をお勧めします。

プリントした後で和綴じ製本をしたいのですが、どの紙が向いていますか。

楮 薄口(生成)、いんべ 薄口、群雲こうぞ(未晒)などをお勧めします。

木製パネルへの貼り込みに向いている紙はどれですか。

楮 厚口(生成)、いんべ 厚口竹和紙110gなどが適しています。

AIJPでプリントして襖や屏風を制作したいと思います。どの種類がお勧めですか。

楮 厚口、いんべ 厚口、竹和紙170gなどをお勧めします。

AIJPでプリントしたものを建具や壁に貼り込みたいと思いますが、糊は何を使ったらいいですか。

一般的な澱粉系の糊の使用が可能ですが、染料インクは糊剤の水分で滲みが生じますので、必ず顔料インクであることをお確かめ下さい。
壁面に対しては一般的に紙クロスに使える接着剤が使用出来ますが、紙クロスとして作られた製品ではないため、一般的な和紙としての取扱いをして下さい。下地の処理(特にアク対策)やはみ出た糊の拭き取りは丁寧に行う必要があります。特に表面強度が弱いため、施工時の汚れや摩擦による紙の傷みにはお気を付け下さい。

プリントの表面を触るとインクが手につきます。触ってもつかないようにできますか。

プリントしたものの表面を触るのは、基本的にお控えください。触る用途でお使いになる場合は、定着スプレー(フィキサチフなど)で表面をコートしてください。

ロール紙の紙管のインチ数を教えて下さい。

群雲こうぞは2インチ、その他のロールは3インチ紙管を使用しています。

AIJP楮にA3にプリントしたものを2枚つなぎ合わせてA2サイズにしたいのですが、つなぎ目ができるだけ目立たないようにするにはどうしたらいいですか。

薄口は紙が柔らかく、透けやすいので、厚口を使うことをお勧めします。

重ね合わせる場合は、下側のプリント部分が重ならないように余白(のりしろ)を付けます。
また、重なっている部分は厚くなりますので透過光が入る場合は影ができます。さらに、重なっている部分は和紙の色が濃く見えます。

突き合わせて繋ぐ場合も裏に当てた紙の部分が厚くなり、透過光が入ると影になります。
作品より大きな台紙に突き合わせて貼りますと影はなくなると思いますが、全体を貼り合わせるのは難しいと思われます。

光を反射しない濃い色の台紙の上に作品を置くと、透過光が少なくなり貼り合わせた部分もわかりにくくなりますが、台紙の色が作品に反映されます。