ファインアートペーパーについてのご質問
ファインアートペーパーについて
- 銅版画を刷るときに、和紙を水で湿らせたら水を吸い込みすぎてうまく刷れません。どうしたらよいですか?
-
和紙は水分を含みやすいので、霧吹きなどで軽く水分を与え、新聞紙などに挟んで少しおいて馴染ませる程度の湿しで充分です。洋紙のように長時間かけて湿らせると水分過多となってしまいますので、お気をつけください。
- 裏彩色におすすめの和紙はありますか?
-
竹和紙水墨画用がおすすめです。やわらかく上品なにじみが楽しめます。
・竹和紙250g(水墨画用)
・アートパッド 竹和紙 水墨画用
・竹和紙水墨画用ロール 10m - リトグラフに向いている紙はどれですか?普段は版画用洋紙を使用しております。
-
リトグラフにもさまざまな手法と個人の好みがありますので、一概には言えません。
実物でお試しいただくのが一番いいのですが、今までアーティストの方に使っていただいた経験からお答え致します。
アワガミ主催の版画展にて過去に、「竹和紙」「北方プロ」「新いんべ しろ」「W-5(MM-1)泰山」を、リトグラフに使っていただきました。版数が1~2版程度であれば「W-5(MM-1)泰山」のような薄手のものでも刷れた実績があるので,だいたいどの紙でも使えるということになりそうですが、版数が多くなれば洋紙に近い平滑さや表面強度が必要になるようです。
「竹和紙」は、見た目が洋紙に近いような雰囲気がありますが、使い勝手は少々違ったようで,工夫しながら使っていただきました。しかしこれも版数が2版くらいまでなら問題ないのではないかと思います。
普段、洋紙ばかり使っていたり,版数が多かったり,あまりいろいろな種類を試していないような人には、「新いんべ しろ」が無難かもしれません。
「白鳳」は、表面がラフなので水彩画に適しています。 - 修復用紙「典具帳」に使われている原料のタイ楮について教えてください。
1)無塩素漂白とあるけれど,ではその漂白方法を教えて下さい。
2)楮自体に農薬の残留などの問題はありませんか? -
アワガミで作られている修復用紙はほとんどが機械抄き和紙です。
原料の楮は、タイ産と徳島産の楮を紙の種類により使い分けており、「典具帳」に関してはタイ産の楮を使用しています。
1)タイ産の楮は苛性ソーダで煮熟します。徳島産の楮はソーダー灰で煮熟します。徳島産も自社直営農場で栽培したものと区別しています。只、自社直営農場は収量が少なくここ数年は手漉きで使用する程度の収穫です。
基本的には漂白を避けたいのですが、タイ楮の場合は充分に不純物(色素や樹脂分)を水洗いしたいので、漂白をしています。「漂白は塩素を使わない」という考えのもと十数年前から「過酸化水素」を使用しています。家庭用漂白剤で塩素系と酸素系がありますが、酸素系に使われているものです。
2)タイ楮は山間部で採取し、農薬の使用はありません。経済的な面からも農薬の使用は考えられません。肥料としての鶏糞を散布するぐらいで化学農薬の使用はありません。 - 「典具帳」と「富士楮」では、どちらが水に強いですか?
-
未検証ですが、染色等で水に濡らして利用する用途で実績があるものは、「No.1 楮 典具帖紙(9g)」「典具帳ロール(9g)」です。